感染症情報の追加(百日咳、水痘)
溶連菌感染症、感染性胃腸炎の流行が続いていますが、新たに以下の感染症に注意が必要です。
①10歳前後の小学生を中心に百日咳の流行が拡大しています。
7-10日程度の潜伏期間を経て、風邪症状(カタル期)から始まり、1-2週がすぎると痙咳期に入り、短い咳が連続的に出て嘔吐を伴うこともあります。百日咳を含むワクチンを接種していない乳児は無呼吸発作などの合併もあり、死に至ることもあります。
発症時期に応じて、鼻咽頭ぬぐい液を用いた抗原検査、DNA検査、血液検査(百日咳抗体)で診断します。カタル期のうちに抗菌薬を開始するのが理想的です。
年長の学年で三種混合ワクチン(DPT)の追加接種を行っていない場合には特に注意が必要です。また、家庭に乳児期早期のお子さんがいる場合には最大級の警戒が必要です。
幼稚園の年長さんは三種混合ワクチン(DPT)の追加接種を強くお勧めします。また、生後2カ月になったらすぐにワクチン接種を開始しましょう。さらに11-12歳で接種するDT(ジフテリア、破傷風混合)ワクチンを、DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風混合)ワクチンに置き換えて接種することもお勧めします。
②小学生を中心に水痘の流行があります。
ワクチンを1.2歳の時に2回接種を終えていても、感染する方が多数いらっしゃいます。潜伏期間は10-21日です。臨床診断だけでなく、水疱内容を用いた抗原検査で診断することもあります。抗ウィルス薬を5日間内服します。すべての皮疹が痂皮化するまで学校は出席停止です。